詩人:さみだれ
ある人は自分を傷つけ
あらゆることを耐えている
ある人は母を思い
傷つかない言葉を選んでいる
ある人は無き日を憂い
黄昏の中で生きている
ある人は胸を張り
必死で自分を正当化する
人として思う
人でなければと
ただ一刻の夕闇になり
忘れてしまえたら
ある人は他人を傷つけ
あらゆることを無視している
ある人は自分を押し付け
これみよがしに親切にする
ある人は眠ることをせず
現実を失った虚ろな目を
ある人は優しさに長け
あらゆることを蔑ろにする
人であるかぎり
恥を知り続けなければならない
心が痛むとて
それは人ばかりではない
ある人は他人に触れて
幸せだと言った
ある人は空を仰いで
喜びだと叫んだ