詩人:カナリア
きみは
わたしにあうために
うまれてきたのよ
きみは
あのがらすけーすに
ぴったりとおしりをくっつけて
わたしをまっていたの
きんいろのふわふわを
わたしはこわれないようにそっと…
そっとだきしめた
はるははじめておさんぽにでかけたね
さくらのはなびら
まっくろのはなにくっついて
ちょっとけげんそうな
きみのかお
おかしくてわらっちゃったよ
なつにはうみにいったね
おふろはこわがるくせに…ちょっとまってよ
そんなにはしらないで
なんども
なんどもふりかえるきみ
なぁに?
おいかけっこでも
しているつもりなの?
あきはつきのした
あの なみきみち
きみは
ふみしめたおちばのおとにおどろいていたね
かさかさ
かさかさ…
きみはたのしくなって
おちばのうえで
ゆかいにだんす
ふゆはふとんにくるまり
ふたりであさねぼう
きみがくっついてると
あったかくて
ぽかぽかで
くっついていれば
さむくないよね
きみのおなかにむしがいるんだって
いままできがつかないで
ごめんね
いっぱいいっぱい
おしゃべりしていたつもりなのに…
おもえば…
きみはひとことも
しゃべっていなかったんだものね
いたかったの?
ぽんぽんいたくて
くるしかったの?
だいすきなのに
きづいてあげられなくて
ごめんね
きみはわたしにあうためにうまれてきたのよ
わたしにあいされるために
…わたしがきみに
あいされるため…かな
ごめんね
ごめんね