詩人:哀華
頭が落ちている
魚ばかりだ
転がる両手を
小石で押さえつけて
たたずむのは
黄土色の海の中
湿った日曜
君の跡を数えたきり
意識は遠のいて
初めの、初め
そのまた
初めに戻っていたって
ただそんなけ
いつだって
振り出しに戻るだけ
思わせぶりな
この声で
大事だからなんて
吐き出した夜
利用させてもらっただけ
アンタの事
別にどうでも
いいみたいで
そしてそのために
黒い今から
いつまでたっても
逃れられぬと
知りました
思い出は
過去として
片づける事も
できません
いつも一歩先
痛々しい
記憶の亀裂となって
私を速やかに
襲います
明日
生きていたくない
存在を跡形もなく
消し去りたいと
切に願わずには
いられないのです
私は誰ですか
消えた方が
よいのですか