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[192303] まちがい電話からはじまる恋

詩人:どるとる


笑ってる顔をイメージしながら
君のために 時間を割いているよ
ただ思うだけでつながれたならいいな
遠くに浮かぶ月を見つめながら
手違いで切れた 糸を結ぶように
上手くつながらない回線をたどって
君を探している 真夜中の零時過ぎ

君を思うとき 僕も君を思っているんだよ
嘘でもいいからそういうことにして

なんでもない やりとりのあとの
話題がなくなった時に生まれるだんまり

それがやけに 好きだったりすることも
君には とても言えないことが多すぎる

君がかけたまちがい電話から
はじまった恋は 宛もなく進む
スクリューもないものでスピードは
のろのろで 急ぐ用事もないので
二人はサンデードライバーのように
ゆっくりのんびり 法定速度を律儀に守る

多分これは神様が僕にくれたプレゼント
なんてこと言った日には大げさだよと

君の声が飛んできそうな気がしたよ
だから大事なことはその時が来るまで

ずっと秘密のまま 君を焦らせておこう
じれったくてもどかしい恋をしようよ

君の困った顔が 電話の声の向こうで
すぐイメージできそうなほど
僕らはあれから 何度も一緒に
笑ったんだね 泣いたんだね
すべては一本のまちがい電話からはじまった恋
神様のいたずらみたいな恋

君を思うとき 僕も君を思っているんだよ
嘘でもいいからそういうことにして

なんでもない やりとりのあとの
話題がなくなった時に生まれるだんまり

それがやけに 好きだったりすることも
君には とても言えないことが多すぎる。

2016/08/03 (Wed)
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