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[192359] 僕の初恋はあの通学電車の中に

詩人:どるとる


初恋を思い出すとき
そこには 学生服を着た
僕が上り電車に乗って揺られています

君は いつも席には座らず 窓辺で外の景色を見ていた

何を見ていたのかな
それともただぼんやりしてたのかな
今では もう わからないけど
どこか 大人びた君の横顔だけが
僕の記憶の中に 残ってる

僕の初恋はあの通学電車の中だよ
一度も声をかけられずに終わったけど
名前も知らない君は紛れもなく僕の初恋の人

桜の季節も 白い雪が積もる季節も
あなたは 窓の外を見ていた
あなたより先に降りるのは僕だった

ふと何かを思い出したように 時々表情が変わる

僕は君の何を好きになったのかな
特別かわいくもないけど
君から目が離せなかったよ

一度だけ笑った君を見たとき
僕はこれが恋だと気づいた

僕の初恋は 会話のない ささやかなもので
そもそも恋だったのかも疑わしいけど
あの時抱いた気持ちは 初恋と呼んで差し支えないだろう

電車に乗るたび君を探してしまうけど
君はそこにはいなくて そうとわかっていても
また探してるいつか また会える気がして

僕の初恋はあの通学電車の中だよ
一度も声をかけられずに終わったけど
名前も知らない君は紛れもなく僕の初恋の人

君によく似た人を見かけるたびに
胸の真ん中が きつく締め付けられるのは
あれが恋だったことを 僕に教えている。

2016/08/13 (Sat)
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