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詩人:どるとる
夜は黙って 空を見上げる
何が悲しかったのか
星を数えてるうちに忘れた
窓の外に広がる 知らない街並みが
なぜか とても懐かしく思えたら
夜はいつも僕を無口にする
言葉にしたとたんに悲しみは
悲しみになってしまうから
言葉になんかしてあげないんだよ
話題作の映画の 出来の悪さや
隣の猫の 鳴き声
路地裏のセンチメンタル
目を閉じて 出来上がるプラネタリウム
そこには僕という星はなかった
夜はいつも僕をおいて行く
夜明けまではまだ遠いから
船を漕ぐような無意識と意識の間
ただよう海月になって夢を見る
明日の予定もない
風が吹くように
気ままに笑えれば
それが何より
夜はいつも僕を無口にする
言葉にしたとたんに悲しみは
悲しみになってしまうから
言葉になんかしてあげないんだよ。