詩人:黒夢
何度も、何度も。
僕等は出逢っていたんだ。
思い出せば後悔ばかり。
涙を流してばかり。
どんな言葉で伝えられただろう。
涙が止まらないほどの悔しさの中で。
冷め止まぬ興奮の中で。
言葉に出来た思いなんて、本当は何もなかった。
準備していた単語を寄せ集めて
作り物の言葉を。
不安だった。
僕の言葉が伝わったか。
こんな安っぽい言葉で、作り物の言葉で。
それでも解ってくれると。
作った言葉の意味を解ってくれると信じていた。
それを確かめる術を、僕は知らないけれど。
僕等が出逢ったのは、運命なんかじゃない。
行き着く先、目指したものが一緒だったから
だから
僕等は出逢うことが出来た。
進む道で出逢った。
それこそ何度も。
僕等の出逢いは、ただそれだけのこと。
目指した先で、行き着いた先で
僕等は何を見ただろう。
それをどんな言葉で伝えよう。
その思いを、感動を、悔しさを、喜びを、涙の理由を。
きっと僕等はこれからも出逢い続ける。
幾つもの日々と、瞬間と
別れと、思いを重ねて。