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[192486] 手紙

詩人:どるとる


春の終わりに 僕らは重ねた手を離した

笑ってしまうくらい下手くそな恋だった

何を話したのかもいまいち覚えていない
駅前のベンチで夜明けまで 座り込んだ

冷えた手を 温めることくらいしか
出来ない自分が 自分でゆるせなかった

愛してる 僕には一番 遠い言葉
でも皮肉なことに一番言いたい言葉だ

あの日は小雨が街を濡らしていた
いつまでも 帰れない 二人は
思いを胸の中に残したまま
無理やり 終わらせた恋を
どう償うべきか考えていたよ
手を伸ばせば届くくらい
近くにあった笑顔も今ではあんなに 遠い

映画のようなあらすじのないストーリーだ
気が利かないから傷つけてしまうこともある

たとえばこんな気持ちを 幸せと呼ぶなら
あなたが笑うだけで幸せになれてしまう

帰り道 つないだ手を 離したくなくて
僕を困らせた 君はもういない

人一倍 頑張りやさんで いつも何かに一生懸命だった
そんな君を知っているよ
だけど時にわかりあえなくて
喧嘩して 背中あわせで過ごした
でも寂しくなってすぐ仲直りした
どちらからともなく謝って
気づけば 昨日のように笑ってた
ずっと先の未来でも君と笑っていたいよ

どんなに 歳を重ねても 年甲斐にもなく
愛してるなんて 言葉にしたい
またひとつ 好きなところが増えたよ
日々新しい僕の知らない君を知ってく
でももう僕には 知る必要はないんだね

あの日は小雨が街を濡らしてた
いつまでも 帰れない 二人は
思いを胸の中に残したまま
無理やり 終わらせた恋を
どう償うべきか考えていたよ
手を伸ばせば届くくらい
近くにあった笑顔も今ではあんなに 遠い。

2016/09/02 (Fri)
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