詩人:甘味亭 真朱麻呂
桜咲く並木道
君と二人歩く
手なんかつないじゃったりして
恥ずかしさを紛らすために
僕は空の遠くを眺めたりしていた
今年もこの桜が散ったら
春が終わってすぐ暑い夏がやってくるんだろう
移り変わる景色
君との愛を誓ったあの公園のベンチ
懐かしいな
色褪せて塗装のはがれた古いベンチ
桜の花びら舞い散る
なんとなく腰掛けてみた
あくびとため息を
繰り返していただけの春
暖かな風に眠りこけながら鼾をかいていた
いつの間にか季節はあの日から
だいぶ経ったんだね
見慣れた町も僕らも
年取ってしまうけれど
変わらないものが二つある
それは紛れもない君との愛
そしていつまでも鮮やかに頭の奥
残っている楽しい思い出
それだけは消えずに
この胸の中残っている
桜は散っても
思い出はずっといつまでも散らずに咲き続けてる
僕らの心の中に。