詩人:どるとる
毎日が 流れていく
代わり映えのない景色のように
空と地平線を 映した瞳が
ページをめくるようにただ
移ろうように景色を変えてく
悲しみは彼を
あるいは彼女を
包み込んでく
人生を言い訳に
人混みの中にある孤独に 気づいた
僕らは一人 暮れてく空を見上げた
歩道橋の真ん中で思い出した笑顔は
いつか君がくれた 思い出に咲いた花
日に日に 忙殺されていく 永遠であるはずもない時間
フィクションの中で描かれた 無償の愛など偽物と笑うよ
血なまぐさい愛を
届けたいと叫べば忽ち非難される
絶望は人を
変えていく
化け物にも
空気にも
遠い国の戦争をテレビを通して
胸を撫で下ろす冷酷さは無理もないよ
他人の痛みに気づけない僕らは
無視をすることがせめてもの優しさだ
あなたに下手な
愛を与えるなら
僕はどこまでも
冷淡でいよう
路傍に咲いた
花のように
ただ 気配を消して
影に徹するよ
人混みの中にある孤独に 気づいた
僕らは一人 暮れてく空を見上げた
歩道橋の真ん中で思い出した笑顔は
いつか君がくれた 思い出に咲いた花。