詩人:どるとる
駅の改札を抜けると雨がまた降りだした
日の光を 遮るように立ち込める雨雲
色鮮やかな傘の花が 咲き乱れてる アーケード
君に送る 手紙には何を書こうかな
会いたいばかりを繰り返して
君を呆れさせてしまうね
でも今一番君に伝えたいのは
愛なんかよりも もっと単純でありふれた ことだよ
机に向かって 思いの丈を吐き出す
君に 会えなかった日々の寂しさを
些細な出来事なんかも 伝えたいよ
君が好きなあじさいの 写真を同封した
笑ってくれるかなと今から楽しみだ
風を 追いかけて旅立つ花びらが一枚
どこに行くのかと 追いかけた日曜日
途中で見失って なぜか少し 悲しくなった
ささやかな喜びや悲しみがこんなにもまぶしい
もう少し 涼しくなったら 暑さも忘れてしまうかな
泣き止んだ空が また泣き出さぬうちに 駆け足で駆け抜ける
家猫が めずらしくなつきながら餌をねだる とりとめもない午後に舞い降りた
ずっと忘れてた自分だけの時間
なんでもできるのに何をすればいいのかわからない
暇なときほど もて余す時間
貯金箱がいっぱいになったら
多分もう少し 風も穏やかになるよ
それにはあとどれだけかかるだろう
机に向かって 思いの丈を吐き出す
君に 会えなかった日々の寂しさを
些細な出来事なんかも 伝えたいよ
君が好きなあじさいの 写真を同封した
笑ってくれるかなと今から楽しみだ。