詩人:どるとる
時計は 真夜中の零時過ぎを指してる
君から届いたメールはまだ読んでない
活字を忘れないようにと月に数回の手紙のやり取り
ちょっと昔の恋人は こんな風にして
思いを交わす時にはもっぱら手紙を利用していた
たとえば離れてても 近くにいても
胸を焦がすほど切なる思いを 届けるために手紙はある
下手くそな文字でも思いを込めて書けばちょっとした文字の崩れ具合でわかるよ
なんとなく君が今どんな気持ちなのか
東京と地方を つなぐ見えない ライン
手紙が届くのを待つ時間は最近の密かな楽しみ
窓に映る それぞれの暮らしのありさま
想像できる範囲で君を 思ってみたりする
とりとめもない会話もメールひとつで簡単だね
言葉が 言葉にならない そんな気持ちも手紙は 伝えてくれる
離れそうで 離れない 距離を 越えてつながってる
声でもなく電波でもなく思いと思いで
面倒だなんて言わないで 書いてみよう
たまには 手紙もいいものだと 思うんだ
便利な時代だからこそ忘れてはいけない
面倒なことがいつか大切だと知る
手紙を書いたり君が書いた手紙を読んだり
つまりはそんなこと
便利さじゃない 書いた文字の温かみ
そういうものから遠退いちゃだめだ
たとえば離れてても 近くにいても
胸を焦がすほど切なる思いを 届けるために手紙はある
下手くそな文字でも思いを込めて書けばちょっとした文字の崩れ具合でわかるよ
なんとなく君が今どんな気持ちなのか
東京と地方を つなぐ見えない ライン
手紙が届くのを待つ時間は最近の密かな楽しみ。