詩人:どるとる
ボブディランを 聴きながら
ここで夜明けを 待っていたよ
優しい言葉 突き刺さる言葉
冷たい言葉 温かい言葉
聞こえてくるのは この街の人たちの声
変わらない営みの上に築かれる未来
幸せは 悲しみよりももっと向こうにある
君はどうして悲しそうに笑っているの
生きていることを 痛いほど 感じながら
雨に降られたように受け流すことも
できないまま 雨ざらしの心を抱きしめて
夜の街を光が隅から隅まで走る
暗闇を探すことのほうが難しい
見えない 聞こえない さわれない
色も形もない だけどここにある
走り出したときからわかってたことなのに
生きることは何度だって悲しい 嬉しい
まるでさ 味のなくならない魔法のガム
君は 今何に悲しみ何に笑うのだろう
もしかしたら誰かを愛し誰かに愛されて
夜明け前の 空を物思いに 見上げた瞳が
流れ星に ささやかな祈りを ささげてる
巡る季節も変えられない運命も
昨日に 置いてきた思い出も
今はすべて 輝いている まぶしいほど
君はどうして悲しそうに笑っているの
生きていることを 痛いほど 感じながら
雨に降られたように受け流すことも
できないまま 雨ざらしの心を抱きしめて。