詩人:どるとる
終わらない 夜の真ん中で 待っているよ
可愛い顔した 猫のように凛として
満月が まばゆい光を 降らせてる
待ちぼうけをくわされてる 表通りで
傘なんか放り投げて
どしゃ降り雨の中で
ステップ踏めば
ほら 心も 躍る
今夜は どうやら
眠れそうにない
でもそれが嬉しい
食べ尽くしたお皿の上に 盛られた時間
胃が爆発しそうなほど食べたはずなのに
その美味しさに舌鼓をうてば
もう引き返せない 魅惑のパラダイス
どこかの 名前も知らない街角で
女と男が 出会う 映画みたいだ
ワインなんて 飲めないけど
酔うだけなら 雰囲気だっていい
口づけをしよう 魔法仕掛けの
誰かが 始めた名もない物語
世界は 歩き出すよ
ひとりでに
傘なんか放り投げて
どしゃ降り雨の中で
ステップ踏めば
ほら 心も 躍る
今夜は どうやら
眠れそうにない
でもそれが嬉しい。