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[192567] 午後の車窓

詩人:どるとる


昔の人が 空を見上げて星に名前をつけた
遠い昔のずっと昔のあなたに会いたい

流れる風の 足跡を追いかけて走る
翼もない僕は 大地を一歩ずつ歩いてく

他愛ない 笑い声にいつも囲まれながら
幸せそうに 僕ものんきに笑いながら

この先にあるのが悲しみだと知ってても
僕は行くだろう
誰かが落とした涙を道しるべにして

地図にはない 場所へ行くための
果てしなく宛もない旅路になる

今日の思い出を 抱きしめながら
車窓に映る 遠ざかる街並みを

僕は 胸に忘れないようにとどめて
今あるこの時間の重みをかみしめて

川の流れを止められないように時間は
流れるまま 今を過去に変えて未来に手渡す

花束を 風に束ねて
空の果てまで
届けと祈る
僕の声はほころんで
綿毛になって 一足先に旅に出るよ

午後の窓に映る 景色 それはまるで
いつか見たような 夢で見たような

縁側で並んで見た夜の月も
あの日流れた星のかたちも

僕は二度と忘れないように 刻むから
いつかの気持ちを思い出している

生きている 花も
風も 命のかたちは様々
心が 醜いから
美しいものが 見えないというなら
僕の心もまた 命ある ひとつの輝き
胸に手をあて 鼓動に 聞くよ

地図にはない 場所へ行くための
果てしなく宛もない旅路になる

今日の思い出を 抱きしめながら
車窓に映る 遠ざかる街並みを

僕は 胸に忘れないようにとどめて
今あるこの時間の重みをかみしめて。

2016/09/18 (Sun)
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