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詩人:鴻
“愛”と書いて
“欲”と読んで
“欲”と書いて
“子”と読んだ
そんな僕に
育ったのには
ちゃんとした理由があって
“結婚”して
“離婚”して
“パパ”が消え
“ママ”が消え
そんな風に
考えたのには
ソレなりの理由があって
“廃棄”され
“処分”した
“僕”とか
“俺”には
そんな様に
朽ちたのには
枯れ果てた 涙があって
“愛”と書いて
“欲”と読んで
“欲”と書いて
“子”と読んだ
そんな僕が
生きるには
ちゃんとした意味が無くて
“愛”と書いて
“欲”と読んで
“欲”と書いて
“子”と読んだ
「「ダッタラ…―」」
“パパ”が消え
“ママ”が消え
『愛ノ塊ハ
何処ニ行クノ...?』
また 愛を求めて
また 欲を求めて
『僕ヲ作ルノ...?』
そんな俺に
熟した理由には
果てない寂しさがあって
“家族”と書いて
“初愛”と読んで
“初愛”と書いて
“親”と読んだ
無いから求めて
無いから与えて
飼われたPET
餌と寝床を求め
そんな俺に
朽ちたけど
枯れ果てた 心から
また 芽が出て
また 花が咲いて
『マタ 僕ヲ作ルノ...?』
“愛無キ”
“子泣キ”
“「「違ウ…―」」”
同じ思いはさせない
同じ涙はいらない
無いから求めて
無いから与えて
「「ソレナラ…―」」
あの人の様に
器用ではないけど
不器用なり
自分なり
君ニ 捧グ
降リ注ゲル限リノ…―
“『愛情』”