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[192652] 星の花束

詩人:どるとる


旅行く少年は 一人列車に乗り込んで
宛のない 旅に出た 風の強い日に

窓から見える 景色は暗闇ばかり
まるで見えない明日を揶揄していた

さあ行こうと 決めたとき
確かに勇気はそばにあったのに
いつの間にか 僕の手を離れていた

目を閉じた宇宙の中に ひときわ光る
夢に向かって ただ走り続ける レース

足跡は 踏み出した足元だけに 刻まれる
前だけ見ても 答えなんてないと知るよ

まだ名前のない 星に 名前をつけて
遠いこの地上から お前の名を呼ぶよ

太陽系の果てで 誰にも知られることなく
小さな光を この地上の夜に降らせる
君は一体、誰なの?

派閥争いのような戦いの中で
ささやかな抵抗を見せるしぶとさ

自転車でかけ上がる坂の頂上で
見下ろした街 夜がいま明けていく

星を集めた花束 手に大事に持って
離そうとしない 君は なおも 君が笑うのを待ってる

降り注ぐ いくつもの光の雨
目覚めたばかりの猫の瞳にささる

おざなりの定理はここらで捨てて
計算よりも 思ったままに 生きるよ

今日 名づけられた名前を 呼ぶよ
返事なんかいらないから光ってごらん

それが合図になって僕の目に届くよ
邪魔なんかできない 君と僕の間に

ひとつの障害もない

川のように なだらかに流れる 16号線
落ちてくように 見えたら 君は
少し 斜めから 世界を見渡して
もう一度 一から 歩き出してみる

目を閉じた宇宙の中に ひときわ光る
夢に向かって ただ走り続ける レース

足跡は 踏み出した足元だけに 刻まれる
前だけ見ても 答えなんてないと知るよ

まだ名前のない 星に 名前をつけて
遠いこの地上から お前の名を呼ぶよ

太陽系の果てで 誰にも知られることなく
小さな光を この地上の夜に降らせる
君は一体、誰なの?

2016/10/02 (Sun)
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