詩人:さみだれ
さみしそうに天蓋を覗く
あなたと目が合う夜明けに
銀色の風が町を吹き抜け
僕は凡人になった
友達は恋人と家族になり
新聞はパンダの赤ちゃんを一面に
公園でおじいさんが猫を撫でていて
隣家の子供が騒々しく出かけていく
夜間トラックはコンビニに駐車されて
思い出したかのように鳩が鳴き始める
上司は娘と不仲になり
テレビは新法案のことばかり
ビルの窓には気怠そうに煙草をふかす若者がいて
大学生はサボりを決めた
さみしそうに天蓋を見上げる
僕の体を風が透過して
銀色の夜明けを終えた
2014/09/14 (Sun)