詩人:甘味亭 真朱麻呂
いつもより早めに起きた朝は
いつもより早めの電車に乗って仕事場にたどり着いた
何の用もないのに
何故か昨日はとてもぐっすり眠れたから
僕は妻を起こさないように
そっと家を出た
僕はあの日どんな夢を見ていたんだろう
そしてどんな未来を描いていたんだろう
壁の落書きみたいに消してもまた消してもまた不安はやって来る
まるでそう魔法みたいに
現れては消えて
消えては現れて
僕の毎日は過ぎていく
気づいたら隣に君がいて
それなりの暮らしの中
収まっている
連休の予定は大したことは決まっていない
ただいつもみたいに
気づくと目が覚めたみたいに
パソコンに向かう
僕がここにいる
僕が見ていた未来とは
絵に描いたような現実離れした
到底叶わないようなあり得ない構図で
僕は当然
大人になった今では
そんな夢を見ていたことさえ忘れて
きっと誰もがそんな風に思い通りの未来
手に入れるのはムリだろう
バカバカしささえ覚えるんだから
きっと僕が見ていたのは幻さ
大人になることを未来に行くことを不安がるあまり
都合の良い幻で忘れようとした
いわばこれは僕のふざけた妄想でしかない