詩人:どるとる
震えるくらいの寒さのせいで
ポケットの中に 両手をいざなわれ
ため息も 白く染まるほどだから
もうじき この街に雪を降らすだろう
手を擦りあわせて 待ち合わせる駅前
時計よ早く 待ち合わせの時間になれ
誰もが その時を待っているような
気のせいかな 気のせいじゃないといいな
見上げた瞳に 粉雪が シャララと舞って
静かに訪れる冬を そっと招き入れている
見上げた瞳に オーロラが風に舞う
言葉少なに 小さな詩を口ずさむ
その時の思いだけはその時だけしか
抱きしめることのできないから
今だけしか 見えない喜びや悲しみに
嘘偽りなく 向き合えるように
適当な言葉が見つからないから
ラララでごまかした恋心隠せない
赤と緑の電飾が彼方まで続いてる
差し出した手のひらに雪が 舞い降りる
クリスマスだねと 君が笑えば
それだけで 僕には十分だ
貯金を はたいて 買った
銀の指輪を 渡すときは今なんだろう
誰もが その時を待っているような
気のせいかな 気のせいじゃないといいな
見上げた瞳に 粉雪が シャララと舞って
静かに訪れる冬を そっと招き入れている。