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[192771] 夕刻、16号にて

詩人:どるとる


車は 渋滞に引っ掛かって進まない
夕暮れの 街は 疲れて誰も彼も
ため息混じりの呼吸

今日の 悲しみや
喜びを
一身に抱えたような顔をして
時々空を見上げる
表情が 切ないね

レコードは回るよ
刻まれた
コードを読みながら
甘い メロディ

言いかけた 言葉も今だけは
言葉にしなくてもいいや

感情だけが はみ出したまま 尖って
胸の真ん中を 突き刺すように痛い
混みあう人いきれの中を行く

夕暮れを過ぎたなら すぐに夜が来て
何も見えないから あなたの声が聞きたい
道しるべは 少しな曖昧なくらいがいい
ひどく透明な 空

淡い 飴色に 透き通った16号を
小雨よけて進む ミニカー
ワイパー空回り

その胸にまだ さよならをはらんでる
確信をつかれて僕はもう がらんどうさ
せめて言い訳くらいさせておくれよ

レコードは回るよ
刻まれた
コードを読みながら
甘い メロディ

淡い 飴色に 透き通った16号を
小雨よけて進む ミニカー
ワイパー空回り

さあ虹のアーチを くぐれ。

2016/10/20 (Thu)
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