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[75301] 娼婦

詩人:ℒisa

股を開いて
稼いだ金を
左手で雑に握り締め
右手にはいつも
安酒片手に
『あんたには居場所が在って良い』なんて哭いていた

雪の日に一度
捨ててきた我が子の話をしたが
以来二度と
口にもしなかった

芸者だった頃の話だそうだ

十はサバ読んでるであろう年齢も
本当のところは
私も聞かなかった

真実も嘘も全て
胡散臭かったが
特に気にはしていなかった

金の使い道は大抵
男に貢ぐか
酒に消えるかのどちらかだった


その女はいつも
『あんたには居場所が在って良い』なんて哭いていた

居場所が在って良い

そう言っては
泣いていた

2006/05/19 (Fri)
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