詩人:ℒisa
股を開いて
稼いだ金を
左手で雑に握り締め
右手にはいつも
安酒片手に
『あんたには居場所が在って良い』なんて哭いていた
雪の日に一度
捨ててきた我が子の話をしたが
以来二度と
口にもしなかった
芸者だった頃の話だそうだ
十はサバ読んでるであろう年齢も
本当のところは
私も聞かなかった
真実も嘘も全て
胡散臭かったが
特に気にはしていなかった
金の使い道は大抵
男に貢ぐか
酒に消えるかのどちらかだった
その女はいつも
『あんたには居場所が在って良い』なんて哭いていた
居場所が在って良い
そう言っては
泣いていた