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詩人:トケルネコ
神は休むことを知らない
神は過ぎることしか知らない
神は頭にローションの詰まったクラゲのように
チュバチュバ時の先端を舐めるモザイク野郎さ
神は林檎の木を知らない
神は知恵の実なんて信じない
ただどこかの男女がぬるい銭湯から葉っぱ一枚で追放されたと
点字のニュースペーパーで知り、嗤った
神は鯨を鑑賞しない
神は牛も豚も食わない
神は滅菌されたレッテルを貼らない
常に全てが等しく緩慢に腐ってほしいと祈るだけ
神はプロではない
神はアマでもない
神になるのに資格はいらない
あらゆるガラクタに署名する血と暴力があればいい
神はなぜ無口なのか
神はなぜ風刺を好むのか
神はなぜピタリと欠落をはめ込むのか
神はどんな罪深い春画を描いているのか……
このパズルに終わりは聞こえない
このパズルに端っこは意味ない
このパズルに空白はいらない
このパズルにオレの居場所はないが、アイツはどうだろ?
(おれが思うに奴の才能はとっくに枯れ、筆の代わりにアレを振るわしてるのさ…)
神ってのは結局親戚中たらい廻しにされ、大人達にイタズラされた孤児みたいなもんだと
棚の古めかしい性書にも書いてあったぜ