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詩人:高級スプーンあと何年
産声を上げてまもなく死に絶える
はじまりとおわりはたったの一行
歴史にも墓石にも残らない途中経過の
今、
が
冗長だ
なんて
大袈裟なんだ
生死よりも
身近な人間たちとの
折り合いのつけ方に
東奔西走四苦八苦
どうでも良いよ
明日死ぬとわかっても徹夜して
心臓が止まる直前まで後悔を繰り返し
何もしないで大事なことを後回し
スペースキーを打ち続けるだけで
埋まる半生
大袈裟でも何でもない生活苦
四畳半
声にならない声を上げて
もれなく必死に耐える
前触れなく死に絶えるまで