詩人:白茹たま
赤い少女
ぼくは彼女を食べなければ
用意されたシナリオ
可愛らしい彼女
ぼくは彼女を食べなければ
たとえお腹に石を詰められる運命にあっても
ただ好きでいるのは駄目だったの?
赤いずきんの彼女
ぼくは悪役でしかないんだ
ほんとはね
ぼくは彼女と結ばれたかった
「この花、君に似てるね」
なんて
たわいもない会話したかった
どうしてぼくは狼で
どうして彼女は赤ずきん?
ただ好きなだけなのに
どうしてぼくは悪役で
どうして彼女は主人公?
「どうしておばあちゃんのお口はそんなに大きいの?」
「それはね…」
ぼくは 君を 食べました