詩人:どるとる
寒さをごまかすように話をつなぎながら
白い息を吐き出してどこまでも歩いた
終電を少しばかり 過ぎたあたりの
駅の近くのコンビニ 雑誌コーナーで立ち読みした
窓の外には 終わりのない闇が広がっている
宛のない 想像で 隙間を埋めながら
不安をどうにかしてかき消そうとした
へとへとになるまで歩いた
疲れはてて もう何にも考えられない
見上げた空に 星をひとつ見つけた
若すぎる僕は 鋭い感性に 振り回されてた
寒いねってわかりきったことを
わざわざ言葉にするのはなんでだろう
雪でも降りそうな 寒い夜には
誰かのぬくもりが ありがたい
何をすればいいのか それさえ曖昧だ
僕たちは 宛名のない手紙のようだった
行き場なんか ない
頼りないのはわかってるさ だけどそれでは 心許ない
手のひらに 伝わる熱で じんわりと
かじかんだ手が 温められてく
この気持ちはなんだろう 名前をつけられないなあ
言葉では 伝わらない 気持ちは なぜ手をつなぐだけで簡単に伝わるのかな
海を照らす 灯台のように
道に迷わないように 光を届ける道しるべ
それが 君だと気づくのに時間は かからなかった
宛のない 想像で 隙間を埋めながら
不安をどうにかしてかき消そうとした
へとへとになるまで歩いた
疲れはてて もう何にも考えられない
見上げた空に 星をひとつ見つけた
若すぎる僕は 鋭い感性に 振り回されてた。