詩人:さみだれ
深い深い谷底に
ニュアンスを敷き詰めて
私達は大きく手をふり
満足気に歩いていました
私は地の底から
あなたへの愛情を掘り起こし
掘り起こししておりますが
それはなんてことはない
エゴと呼ばれるものでした
毎夜、あなた方を殺しにかかる
不可思議な劣等感を
梢に留まる小鳥のように
大事にしていたと思います
まだ
ここに
私はいない
そのような日が
あったと確かに思います
海辺に放る瓶詰めが
私達の詩であるから
ゼロの思い入れを
空に飛ばしたいと私は願ったのです
世界は美しい
ただそれだけを大地に埋めて
私はあると誓います
「いつか君を見つめる詩編へ」
今日の星空を育てよう
毎夜、誰もなくさぬように