詩人:どるとる
終電が なくなって途方に暮れた
僕らは広がる闇を片手で抱きしめた
まるで退屈な小説の ストーリー
蛇行しながらも前に進んでく
一秒をただ重ねるだけの 毎日だ
たとえば同じ涙でも 違う涙だ
何者にも なれない僕らは
強がることだけしかできないけど
きっと きっと 明日は
今日よりも いい日になる
そう思うことで 無理やり笑うんだ
行く宛のない旅のように 黄昏て
見上げた空は 暮れて ポケットの 中へ
あわててしまった 夢の 切れはし
まだ持ってたこと気づかれたくなくて
首筋も冷える 季節 マフラーが恋しい
同じ 痛みでも 似ているだけだ
はみ出しそうな声は虚空を泳ぐ
終電が過ぎたホーム 木枯らしが 通る
いつか いつか また会えるかな
あの日のような 笑顔に
希望は 絶望を知らなければ見えない
あるいは 希望などないのかも知れない
あると見せかけて
一秒をただ重ねるだけの 毎日だ
たとえば同じ涙でも 違う涙だ
何者にも なれない僕らは
強がることだけしかできないけど
きっと きっと 明日は
今日よりも いい日になる
そう思うことで 無理やり笑うんだ。