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詩人:どるとる
蛙は水の中上手に泳ぐ
世の中だってきっときっと上手に泳げるだろう…蛙が人間なら
イメージの海の中を
ただ何日もさまよい
何かを見つけようと努力はしてみたんだ
だけれどあまりにも描きたいことが多すぎて言葉にならず
予想外のちゃちな言葉があたりに散らばっただけ
クロールをして
「今」というジャンプ台から未来へ恐れず飛べたなら良かったのに…
叶えたい夢も
抱いていた理想も
ただひとつの不安に無惨に砕けていった
見下ろせばそれはそれは高い何十何千メートルのバンジーのジャンプ台から飛び込むように一瞬の恐怖が何時間にもなって続くような
例えればそんな気持ち
胸を突き刺したよ
たった一度のバンジージャンプでさえ恐いのに
たった一度のバンジージャンプもできないのに
身体だけは小さな蛙のような僕が飛べるでしょうか…
その下にトランポリンはあるのかな
そんなことばかりで
足がすくんで
前に進めない
心がびくついてる
ただ、それだけで夢をひとつまたひとつなくしてゆくのさ
それでもいいやと笑った自分が顔だけは醜い蛙のようだった
さあ バンジージャンプで未来に飛んだはいいものの怪我したらイヤだしな…
そんなことばかり
飛ぶ前から
臆病者の蛙の僕
水に嫌われ
やがて
僕も水を嫌いになった
気づいたよ 僕は蛙じゃない
嫌われたのは世の中にさ
そして嫌ったのは世の中さ
水は世の中だったんだ
そして夢は脆くも崩れてその重圧が僕を押しつぶした
大人になったその折に。