詩人:どるとる
夜ともなく朝ともなく あくびばかりしている気がする
死にたくなるほどの退屈は しばらく僕から離れないつもりだ
なんとなく 開けたドア その向こうにある景色
変わる 季節を運んでいく 気まぐれな風
ただ なんとなくで終わり始まる季節に
僕は何も言えず 流されていく
冷えた 両手に吹きかけた息は白く染まり
見上げた空は 透明だった
僕は 弱い心を見透かされそうになって
あわてて はみ出しそうな涙を隠した
ああ夜明け前には まだ遠い 薄暗い中で猫は眠っている
気になるよどんな夢を君は見ているのかな
重ねてゆく 声は 宛もなく 意味さえ持たない
それでも 眩しいくらいきらめいている
旅立ちを 決めたのなら 迷いなど捨てて
昨日の僕に 恥じないように
越えていくのさ 弱い自分を 飛び越えて
まだ知らない 自分に出会うため
書き記された 今日の思い出よ 輝いて
未来を照らす光のひとつになれ
旅立ちと別れの 季節の 始まり
切符を 握りしめた手に力を込めた
乗り込む列車は 君を 連れていく
揺らぐことのない たしかな未来へ
ただ なんとなくで終わり始まる季節に
僕は何も言えず 流されていく
冷えた 両手に吹きかけた息は白く染まり
見上げた空は 透明だった
僕は 弱い心を見透かされそうになって
あわてて はみ出しそうな涙を隠した。