詩人:甘味亭 真朱麻呂
母は毎朝おまじないのように
僕を揺り動かして
無理矢理に学校行きなさいって言いながらたたき起こす
階段を下りて一階に来れば
いつもリビングの机には
淹れたばかりのホットココア
湯気が僕に飲みなさいって言ってるようだ
でも
時が経って一人暮らしを始めたら
母のあのおまじないも聞こえなくなった
自分でココア淹れても
あの味じゃないんだ
母(あなた)の淹れたココアじゃないと
今日はなんの日か知ってますか
僕の母が亡くなってから
早くも二ヶ月ちょっと過ぎた
そして今日があなたの三回忌です
少しだけ小さい正装に着替えて
お寺まで急いだ
涙を拭って少し塗れてるよれよれのネクタイを締めて。