詩人:小さな貝がら
いつもケンカばかり
していたけれど
ほんとは好きで
ずっと見てたよ
あの夏の日
いきなり夕立
傘持っていない貴方は
軒下で佇んでたね
遠くから見てたけど
困った顔で俯き加減
さっきも
ケンカしたから
ちょっと
近寄りにくいな
だけど思い切って
貴方に駆け寄った
そっと傘を差し出して
ちょんと横に入る貴方
申し訳なさそに
僕が持つよと
傘を持ってくれた
傘を手渡す時に
少し触れた貴方の手は
温かく大きくて
貴方の横にいるのが
ドキドキした
鼓動の音が
聞こえそうで
赤らめた顔に帰り際
ありがとうって
ちっちゃなキッスを
貴方はしてくれた
By 小さな貝がら