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[175855] 夕べの雲と朝の雲

詩人:中村真生子


温かく穏やかだった

昨日の夕方。

バスを待ちながら空を見上げると

ビルとビルの間に

急ぎ足で旅する雲たち。

夜になって風が強まり

一夜明けて

今もゴーゴーと吹き荒れている。

こんな風の中を

雲たちはどんな勢いで

旅しているのだろうと思って

カーテンを開けると

否、どっしり腰を据えていた。

まるでお茶でも飲みながら

静かに見下ろしているように。

木々は揺れに揺れ

川さえも海のように波立っているというのに。


2012/04/22 (Sun)
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