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詩人:高級スプーンあと何年
シティポップを聴きながら
夜の海まで車を走らせる
カッコ良い顔なんだろうなそいつ
お別れまでの過程も
あとに残る切なさも
醜さのカケラもないんだろうなあ
恥の多い半生は滑稽過ぎて
サブスクで解禁は無理
誰にも聴かせられない失恋ソング
死にたい夜
部屋の隅っこ 脳内で流してる
気持ち悪いな
きみのことを思い出し
どうしようもない
泣いたらさすがにブサイクすぎるから
無表情
出口のない夜更け
どん底の六畳間
感情を殺して寝転がる
死体みたい
でも息はしてる
イヤホンさして
逃避しても変わらない現実
あれもこれも
キャンセリングできずに苦しい
きみとの思い出から
良いところだけを抜き出して
昨日のことのように
耳元に引き寄せて聴き浸る
気持ち悪いな
人間らしさと交換でも良いから
正しくきみを忘れたい
正気のままじゃ前を向けないとか
ホント醜いな
いつまでも続かない夜に
出来損ないが何を想う
嘔吐きながら