詩人:番犬
ボクが生まれたのワ
ブリキ細工の山の上
いろいろな部品を寄せ集メ
ちぐはぐなバランスの
ボクが生マれタンダ
ダケど
ゴミ箱の中へ
捨テラれちャっタ
オ前は失敗作ダ
ソう教エらレタ
そんナ気がシタ
スクラップ工場デ
ぺちャんコにサレる前に
ヒゲのおジサんガ
ゴミ箱カらボクを見ツケテ
よゴレた雑貨品ト一緒ニなラベ
路上で小サナ店ヲヒらいたンだ
何人もノ人と時間が
そのマまトおりすぎた
ソシテ太陽が沈みかケタ頃
立ち止まっタキミ
ソウ
こノトキボクらは
ハジメテ出逢ッた
キミは瞳をかガヤカせて
ほントウに嬉しそウに
ボクのこトヲ見つメテイタね
忘レナイヨ
ボクヲハジメテ抱イテクレタ人ダカラ
キミとボク
カゾえきれナいぐライ
いッぱイの時間ヲ
タノしく過ごシた
キミノ成長を
ほんトウに立派ニなッていクノを
ボクはズっと見つヅケテキた
膝をスリむいたとキ
キミハ泣かナかっタ
オシャレをはじメタとき
キミはダレより素敵ダった
恋人ができタトき
キミはほんとウに幸せそウだっタ
仕事をハジメたとキ
キミが誇ラしかッた
子供ガ生まレタトき
キミハボクヲ紹介してくれタ
シワが増えハじめたトキ
キミはボクノ顔にシワを描イタ
しワクチゃの手ニナッたとき
キミはサヨナラを言っテキタ
コの世かラキミが消エタトキ
ボクはどウしてモ泣けなカった
ボクはタだの
ブリキノロボットダカラ
忘レラレヤシナイ
ハジメテ抱イテクレタキミダケワ
キミニ逢イタイ
キミニ逢イタイ
アトドレグライ
待テバイイ?
キミニ逢イタイ
キミニ逢イタイ
アトドレグライ
生キレバイイ?
何百年モ前カラ
ボクワココニイル
キミニ逢イタイ
キミニ逢イタイ
何千年デモ
何万年デモ
何億年ノ時ヲ超エ
ボクハココデキミヲ待トウ
ブリキ細工ノ山ノ上
イロイロナ記憶ヲ寄セ集メ
チクハグナバランスノ
ボクガ朽チ果テルマデ