詩人:どるとる
大きな大きなため息をついてしまうくらい切ない気持ちなのさ
季節は僕があくびしてようが寝てようがおかまいなしとばかりに春から冬へと一周しまたもとの春にもどる
これといった理由は何も見当たらないけれどなぜだかこの頃みょうに眠れない夜が続く
1日何度も吐(つ)いてるため息が煙って
なぜかそこになんとなくロマンスを感じてしまうのは僕だけかなぁ?
甘ったるいカフェオレみたいな1日なら笑うだけでなんの気遣いもなく楽チンに過ごせるものを
なぜ悲しみという障害物が僕の行く手をいつも遮るのかな
いつもなら一時間もすれば何事もなかったように止まる涙もその時ばかりはずっとずっと流れていたんだ
気づいた瞬間が悪夢のはじまりさ
僕はきっと悲しみ避けてはこの先も生きて行けない
頭の中に広がる黒々とした不安の絵の具
だけれどそれをすんでのところで助けるように存在する喜び
つまりは雨のち晴れ
お天気とおなじさ
その流れが狂わないかぎりきっと僕はそんなに深手は負わない
ため息はゆらゆらとただ揺れている
よくわからないロマンスを含みながら
今、僕 悲しみの中にいてもなんだかどこか強くいれる自分がとんでもなくかっこいい
そんなことを考えてしまう
ある夜の裏側なのさ
今 夜と朝のひとつの珈琲カップの中
くるくる 混ざり合ってまた新しい側面を僕らに見せる
心を 魅せるように
ほら そら 飛び込んでみよう
そしたら 悲しみの雨も少しは弱まるだろう
雨雲が離れたら
またでっかいあくびでそのうち来る喜びの太陽を待とう
誰かと一緒に
ありふれたベンチを選んで
そこに座って気長に待とうぜ
ふいのため息くらいならおなじ瞬間に飛び出るロマンスがそのため息のだるさを緩和してくれるさ
今に見ててごらん
あの空の切れ間から光が差すのを
その時全てが救われたような気持ちになる
後先の悲しみなど無視だ。