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[193112] 手紙

詩人:どるとる


東京の暮らしにはもう慣れましたか?

ありふれた 言葉が綴られている 月に一度のあなたからの手紙

遠く離れた この街であなたの知らない 僕の暮らしは
本当は 辛いけど
あなたに心配をかけたくなくて
ちゃんとやってると嘘をつくんだ

でもあなたのことだから
僕の 嘘にとっくに気づいてるだろう
でも気づかれないように する僕は
あなたが気づいてるのを 知っても
気づかれてないふりをしてるんだよ

泣きながら読んだあなたからの手紙は
何度も読んで しわくちゃになって
文字が涙でかすれて インクがにじんで
それでも毎月 楽しみにしてるんだ

いつもあと少しで言えない言葉も
強がりに 邪魔されなければ 言えるだろう

もう幾度もの季節をこの街で 迎えて
知り尽くしたと 思ってたけど
まだ知らない 寂しさがありました
まだ知らない 幸せがありました

人に自慢できる夢を持っている
そんな人になりたくて東京に来たよ
でも僕が思ってたほど
いいことばかりじゃなかった
でも後悔はしてない
僕が選んだ道だから

僕は今あなたに手紙の返事を書いている
何度も書き直して漸く 書き上げたよ
相変わらず下手くそな字ですが
それを見て僕を思い出してくれたらいいな

窓の外に 降る雪は最後の季節を
飾るように しめやかに
街を 白く染めていく
止まった電車の ホームに 佇む人々
その一人一人に ある夢が この街を この空を 輝かせている
僕もその中の一人になれたらいいなあ

泣きながら読んだあなたからの手紙は
何度も読んで しわくちゃになって
文字が涙でかすれて インクがにじんで
それでも毎月 楽しみにしてるんだ

今度の休みには そっちに
久しぶりに帰るから 待っててくれたら嬉しいな。

2016/12/17 (Sat)
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