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どるとるの部屋  〜 「嘘」への投 票 〜

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詩人:どるとる


終電も通り過ぎた 駅のホームで
いつまでも誰かを 待っている

地面を打つ雨の音だけが やけに浮いて
それ以外の音は まるで聞こえない

たった一言 ごめんねって言えれば
僕らは 明日も 変わらず笑えたのかな

僕だけが 悲しいなんて思わないけど
今は 目の前にある悲しみしか見えない

離したくないと思った手を離したいと思った時
一緒に消えたぬくもり

今は君の笑った顔もあの悪戯そうな顔も見えないのに
余韻みたいに 心に残ってる真新しい痛み

冬が来たことにさえ気づかないみたいに
忘れてた寒さが よみがえってきた

溶けてなくなる あめ玉のように
重ねた二人の時間 色とりどりの思い出

永遠はないと知ってたけど 束の間の幸せは泡沫

もう僕には必要のない気持ちなのかも知れない
誰かを好きになる気持ちは

確かにあった 誰かを愛するためだけに生きた 時間が

望んで離したはずの手のぬくもりが まだ かすかに残ってる
それは僕がまだ誰かを愛する気持ちを捨てきれていないから

回るフィルム 映写機の 向こう
空と海の境目に 地平線を 描いて 世界が広がる
長い長い夜が明けていく

僕だけが 悲しいなんて思わないけど
今は 目の前にある悲しみしか見えない

離したくないと思った手を離したいと思った時
一緒に消えたぬくもり

今は君の笑った顔もあの悪戯そうな顔も見えないのに
余韻みたいに 心に残ってる真新しい痛み

終わりから始めよう
君を愛したようにまた誰かを 愛せるように。

2016/12/18 (Sun)
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