詩人:どるとる
無の境地にたどり着きたいよ
何もない全く何もない空っぽの大地にひっそり咲いたたった一輪の白百合のような
さびしくも微塵の汚れもないそんな花になりたい
若しくは山の中でなんのためなのか厳しい修行を積む僧侶のような煩悩のない人になりたい
世の中を前を向いて
曇りのない笑顔で歩いてゆく自信がゼロになったとき
僕らはどうなるのかな
神が創りし絶対的な法則の中では窮屈すぎて手足を伸ばすので精一杯なんだ
とても逆らえたものじゃない
だから
後ろ向きで歩こう
たまには
世の中に 目上に
逆らって
後ろ向きで歩こう
いつかは
向かい風も悠々
振りきって
今 僕をとりまく全て
今 僕を囲い込む闇
一層 孤独になってゆく
僕は煩悩の塊だ
欲望は底尽きない
我が儘は際限を知らない
僕は綺麗な花や健全な僧侶どころか汚い人間だ
でも、僕は汚い自分を抱きながらも綺麗であろうとする
そんな不思議な人間でもある
いつか前を向いて歩ける日を楽しみに今は小さな希望ひとつを胸に咲き続ける
灰色の花は僕だ。