詩人:さみだれ
どこまでも拙い希望の歌を
成層圏の天辺で歌ってみる
アメリカのジャンボが物差しで引いたような
飛行機雲ひきながら通りすぎて
ロケットが唸りながら飛んでいく
僕はいつも知らない
あの中の人たちや
無事を願う人たちを
僕はいつも知らない
そのなかに紛れた
変幻自在の心を
はじめからあったように思っていたんだ
そんな風にできてると思っていたんだ
ジャングルで暮らす裸の人たちや
砂漠で耐えしのぶ痩せた人たちを
僕はいつも知らない
あの希望の歌を
世界の真ん中で
歌っている人を
僕はいつも知らない
そのなかに紛れた
変幻自在の心を
僕は知らない