|
詩人:山崎 登重雄
僕たちが小さな頃
掌いっぱいの オモチャ
ワルモノ はとても怖くて
ヒーロー は絶対だった
僕たちが小さな頃
掌いっぱいの お菓子
おこづかい にぎりしめて
食べた食べた 美味しかった
僕たちが小さな頃
掌いっぱいの お友達
お兄さんも弟も 沢山いた
泣いた笑った ケンカした
僕たちが小さな頃
掌いっぱいの 夢
星も空も海も 乗り物も
憧れたら 何にでもなれたのに
大人になった今の僕たち
掌いっぱいの 宝物は
掌いっぱいの 想い出は
いくら太陽にかざしても
眩しかった掌の輝きたちは
何処かで置き忘れました
おっきな掌になったのに
何でもできる掌なのに
小さな掌いっぱいの
キラキラの破片も触れない