詩人:老女と口紅。
さぁ
言の葉の供養を
してあげましょう。
生きる事に疲れ、心病める者達の内なる叫びは言の葉となりこの世に詩として生まれ変わる。けれど他人様の目に触れるものは、ほんの僅かばかり。それは読みビトに幸福をもたらす物か、果ては災いを呼び込む物か。いずれにせよ世に安らぎを求める者達は読経の如く読みふける。嘆き産み落とされ、さ迷い、安眠の行く末持たぬ言霊達は人の心に宿りてこそ始めて報われるに違いない。己の生きる道筋を言の葉で見極める人ならば尚更の事、心して読むがいい。そうして体の内に招き入れた言の葉達は心に留め置かれるのも道、さらりと流されるのもまた言の葉の定めなり。年に一度の言霊流しは四月四日の詩人の日。浮かばれぬ詩の数々達を清流の源にそっと流してあげましょう。笹舟にロウソクを灯して感謝の気持ちで送るのです。人目につかぬ駄文詩も、心に染み入るお言葉も両手を合わせたその中で優しく優しく昇華させてあげましょう‥。
心を込めて
合掌‥(-人-)
そしてありがとう
ほら、埋もれてた
僕達のバイブルが
一つ
また一つと
キラキラ輝きながら
天に召されてゆくよ‥