詩人:白茹たま
「鏡よ鏡、この世で一番美しいのは誰?」
私 髪を巻いたのよ
香水も変えたの
ドレスも変えたわ
ねぇ 私 一番きれいでしょ?
なのに どうして
あなたはいつも
彼女の名しか言わないじゃない
あんな娘 どこがいいのかしら
私 化粧変えたのよ
シャンプーも変えたの
ヒールも変えたわ
ねぇ 私 一番きれいでしょ?
なのに どうして
あなたは今日も
彼女の名を口に出すのよ
あんな娘 消してしまえばいい
私からあなたを奪う
あの娘は邪魔なの
ねぇ 消してもいいわよね
真っ赤な林檎
猛毒に犯された
毒々しいほど赤い林檎
林檎をかじった
赤い唇 小刻みに震え
彼女はその場に崩れ
「これで、私が一番よ」
あなたのもとに駆け寄る
ねぇ 私 一番きれいでしょ?
彼女がいない今
私は あなたの一番でしょ?
ねぇ どうして
どうして何も言わないの
私 一番 きれいでしょ?