詩人:千波 一也
えらばれた場所でだけ
かなう願いを
託して
しまいたい
分けられてなお
うつくしいものも
きっと、ある
降る雨の
そのずっと奥のほうで
飾りをえらばず
けれど飽きられず
均整な軌道に乗り
にげてゆくのは
自由かと
おもい過ごして
聞き役は
つのる
いっそ
崩れてみては、と
うながすものに
影をもとめて
こぼれ、はじめて
はるかにおもえる
わずらいを
すこし、でも
飲み干せたなら
なつかなくても
あまい匂いを
満ちていた
ことわるのではなく
支配のための糸車
もうすぐみえる
まもなく
渡る
2008/01/21 (Mon)