詩人:千波 一也
つらいおもいが
ひとつ消えたら
代わりにひとつ
ふわりとひかり
(たとえばきみが自転車だった頃、
(もしくは紙の
(飛行機、怪獣、手裏剣、吹雪
(あるいはお菓子屋さんでもいい、
(はなの飾りの
(草木のお城の
おもいのままに
もてなしつくし
てのひらをただ
つないで並んで
ひとが
おわりませんように
夢とまぼろしは
すこしだけ違う
たずねることも
さまようことも
なんとかひとつ
ひとつ生まれる
(子どもには子どものかぜ
(おとこには、おんなには
(それぞれに、うみ
(老いては、なお極みにむかう
(つくりてのみち
(いのち、ひび
ひとが
おわりませんように
きかいのそこの
ことばのなかで
みずからに