詩人:どるとる
悲しい出来事に出逢ったとき容易く泣いてしまう
そんな僕でも一応人目は気にするのさ
公の場所では泣きたくても泣けない
それでも胸を焼く気持ちはいまだ片づいてなんかないのさ
あふれる頬を流れる涙
迷っているように行き場もなく出番の時だけ流れる涙
いつか死ねたら流さなくていい涙
でも笑えなくなるね
喜びの数だけ笑いたいのに悲しみの数だけ泣きたくなんかないんだ
本当は
でも悲しみに出くわせば泣いてる
涙抑えきれずにまた頬流れる涙が笑いたい自分を遠ざける
涙の一粒がポチャンと地面に落ちる音が聞こえたら僕はまたひとつ悲しみに耐えうる力を得るんだ
でもなんかもどかしい力だから耐えている自分が悲しいんだ
でも流したい
悲しいときには是非とも
そんな不思議な涙の魔力に僕は今日も泣かずには居られない
とてもとても悲しくて偽って気持ち隠し笑うことより泣かないことのほうが難しくてやっぱり泣いちまうのさ
涙が気持ちより先にあふれてしまうから
笑えない涙が僕の世界を悲しみ一色に染めるから。