詩人:如月 ちゃこ
海が見たいと連れ出したのは君
誰もいない海辺
風がまだ冷たくて
会話が途切れる二人
寄り添って
繋いだ手の温もりに
想いを重ねる
またいつか
二人で―…
つぶやく君の言葉が
風にさらわれる
今はもう
叶わない約束
ただ二人
寄り添うだけでよかった
あの頃―…
手のひらからこぼれ落ちた永遠
戻らない
二人の時間
あの日の二人の足跡を
波がそっと掻き消して行く
またいつか
二人で―…
つぶやく言葉が
風にさらわれる
あの頃の想い出と共に
繋いだ手は
ほどけたまま
君を求めて
足跡はさまよう
君が見たいと連れ出した海辺で
波がそっと足跡を掻き消して行く