詩人:甘味亭 真朱麻呂
この命にはいつか終わりが来る
それは仕方のないことだけれど
何故だか悲しまずにはいられない
きっと多分それは
今僕はこんなに幸せで
そして愛する君と毎日を楽しく暮らしてる
そんな今に終わりが来るなんて信じられないから
それとどこかで認めたくないっていう気持ちがあるんだと想う
歳を重ねるにつれ
親も親戚も年をとり
皆死んでいくだろう
そして最後残るのは
僕らの場合
僕と君の二人だけ
仕方のないことだとはわかっているけれど
わかっているだけに悲しまずにはいられない
何故だかこんなにも幸せでこんなにも満ち足りた毎日なのに
そんなことを想うと夜も眠れない事が度々あるんだ
それは不思議なことに徐々に僕の中から薄れていってる
それはきっと
自分を育ててくれた生き甲斐にも思っていた母や父が死に
少しずつ生活が静かになりすぎたからだと想う
あの日枕に顔をうずめて流した涙は
いつか訪れる死という終わりを不安がる涙と
いつか別れなければならない父や母のことを思う涙で
父と母が死んでしまった今となれば
少しずつ淋しさや冷静な諦めがついてきて
不安や悲しみもそれと同じに年を経るごとになくなっていくんだろう
でも時々泣きたくなるんだ
君には見せられないほどにワンワンと泣きたくなるんだ
きっとそれは
大人になってしまった時のはかなさ
それにいつか巡る
僅かな死の不安
それに愛する人の笑顔が見れなくなること
多分そんな不安から来る涙だと想うんだ。