詩人:千波 一也
こぼれる匂いに
転がるよるに
企んで
膨らんで
それがつまりは
ほほえみで
真顔にあふれていくものは
つややか、な
ひみつ
ふれて
ふるえて
ひたむきに
皮一枚、をたいせつに
して
にがてなものに
抱きとめられたら
ゆっくりでいい
やぶいて
みせて
それが
こころを
弾ませるから
しぶきをあげて
なついていく
から
やわらかな焦りに
包まれるよるは
汗が
うっすら
おもいでになる
いたみはそうして
離れて
つないで
迷いはけして
終わらない、でも、
泣かなくて
いい
いらない果実は
どこにも無い
から
2008/02/01 (Fri)