詩人:千波 一也
華やぎなさい、
ささやきに
背中は砂なのでしょう
どうしたって、もう
無音でいられずに
並ぶのでしょう
嘘でも良いではありませんか
道なき道があなたです
それを飲み込む
わたしです
少しの違いがすべて、ですから
畏れることにも頷きます
が、
やぶれることなど
ありえません
どうぞ、
おやすみください
そろそろ魔術にしませんか
ひとつだけ、
裏切るように
水音の
なか
てさぐりの
硬さ、を響いて
満足そう
に
ゆるやかですね
寒さを運ぶ船出の夜は
浅く
とらわれていようかと
ふけてゆきます
杖のかたわら、
乾きにすがり
瞬きもせず